大津が宿場町として栄えた安政時代に誕生したお菓子「銅銭糖(どうせんとう)」百六十年以上経った令和の時代も郷土菓子として愛されています。
銅銭糖は、浪花屋本店創業者の藤次郎が、銅銭を重ねて紐を通した姿をヒントに筒状の落雁の中に餡を入れたのが始まりです。それが大津の名物菓子として栄えました。

しかし、平成になり銅銭糖は徐々に下火になります。
このお菓子とお店の歴史を途絶えてさせてはいけない!
一念発起したのが、七代目店主の古庄さとこさん。
義母にあたる六代目の玲子さんが試行錯誤の末、辿り着いた味を受け継ぎながら永く愛される商品づくりに没頭されます。
さとこさんの改革は「作りたての柔らかさ・おいしさ」を伝えること。
それまでの売り文句である「日持ちのする菓子」を捨て「出来たてを食べる」に変更。その想いが実り、「銅銭糖は硬い」という昔のイメージから「柔らかな銅銭糖」として蘇りました。

伝統の定番とお洒落な新タイプ
定番の銅銭糖
定番は白(黒餡)、ピンク(白餡)、抹茶(黒餡)の3タイプ。末永く愛されている変わらぬ味です。
昔ながらの伝統的な包み紙、くまモンの包み紙、新デザインの包み紙もあります。


きんかん銅銭糖
さとこさんが手がけた新しい銅銭糖。
大津町「タカハマ農園」のフルーツ金柑をシラップ漬けにして、金柑の果肉を残しつつ、じっくりと白あんに練りこんであります。落雁には金柑の粉が混ぜてあり見た目も鮮やか。甘さの中からジワッと広がる金柑の爽やかさがあっさりした印象で何本でも食べられます。


いも銅銭糖(期間限定)
大津名産のさつまいもを餡にした「いも銅銭糖」。落雁に紫芋の粉を混ぜさつまいも本来の自然な甘さが楽しめます。 さつまいもが美味しい冬季限定の商品で、その年のお芋の出来具合で販売期間が変わるほどデリケートなお菓子です。


幸せな食感と触感 中村製粉の落雁粉
浪花屋本店の銅銭糖に欠かせないのは、大津町 中村製粉の落雁粉です。
七代目さとこさんは「 ふわふわな粉を初めて触ったときは涙が出そうなくらい感動した 」と、その優しい感触に手から幸せを感じたそうです。

きめ細やかな落雁粉と水の配分は気温、湿度によって毎日調整するという繊細な作業です。
絶妙な程よい甘さ タカハマ農園の金柑
飽きの来ない丁度いい甘さのきんかん銅銭糖は、大津町高尾野・タカハマ農園の金柑を使用。
タカハマ農園は、さつまいも・金柑の他に、太秋柿やマスカットなど様々なフルーツが収穫体験できる果物作りのスペシャリストです。 タカハマ農園の金柑が上品な餡の秘訣です。

店舗情報
ふわふわな粉を触っていると優しい心になるというさとこさんが、丁寧に一本一本手作りする銅銭糖。浪花屋本店を訪れると、穏やかなやさしい空気に包まれます。


店名 | 浪花屋本店 |
TEL | 096-293-2503 |
住所 | 〒869-1235 熊本県菊池郡大津町室1037 (旧57号線沿い) |
営業時間 | 8時~18時30分 |
定休日 | 不定休 |
URL | https://dousentou.com/ |

